第119回近畿救急医学研究会

会長挨拶

『傷病者ファーストの、視点から』

会長 松原 峰生第119回近畿救急医学会を開催するにあたりテーマを『傷病者ファーストの視点から』として、2019年3月23日土曜日 京都テルサにて開催させていただきます。

私ごとですが、1986年に大学を卒業し直ちに、救急医療、救急集中医療をやりたくて大学の関西医科大学救命救急センターに入局しました。まだ救急医という言葉、言い方もなく、まわりから将来どうするんだ?結局何がしたいんだ?すぐに困るぞ、、などと根拠のない批判を受けました。その後、社会の需要、行政や救急医療関係者の努力もあって、救急医療領域は目覚ましい発展と広がりを見せました。しかし、あれから30年以上たち、時々これでいいのかと疑問、不安、不満を感じることも多々あります。思いつくままに例を挙げれば、

(1)人口構成もかわり、救急搬送される疾患構成、年齢構成も大きく変わったのに、救急医療の体制の基本は変わらない。特に一次、二次、三次の分業のままでいいのか?地方に行けば行くほど地域医療の崩壊と相まってこの分業体制はすでに崩壊しているのではないか。

(2)内因性疾患は、主訴と状況のみで重症度や緊急度を評価するのは難しい。しかし救急隊の現場での診断は、あいかわらず問診と理学的診断が中心で、使える医療機器は、心電図モニター、SpO2モニターぐらいである。これでいいのか?

(3)重症外傷が明らかに減っているのに、外傷の救急医療体制の見直しが進んでいない。また本当の重症外傷の経験が十分に積めないままシミュレーションだけで頭でっかちになっていく医師や看護師たち、これでいいのか?

(4)全国でドクターヘリやドクターカーなどの整備が進んだが、本当に傷病者に役に立っているのか?ドクターヘリやドクターカーのためにドクターヘリ、ドクターカーを呼んでいないか?

今回、この会にて素直に率直に現状およびこれからの救急について議論できればと考えています。

第119回近畿救急医学研究会
会長  松原 峰生
大津赤十字病院高度救命救急センター